2007.08.12
イスタンブールは風の中 [暮れなずむセントラルアジア]
「ボスポラスのことは聞いてくれるな・・・」
イスタンブールにて, Jan 2005 Turky
久しぶりの青空に誘われてボスポラス海峡豪華クルーズに出かけた。見栄を張って豪華クルーズなんて言ってしまったが、実はただの連絡船。途中の船着き場によりながら、のんびりと終点まで行けば結果的に海峡を黒海方面にクルーズしたことになるという仕組みだ。旅なんてものは気分の持ちようでいかようにもなる!・・・きっと。
サバの塩焼きをフランスパンにはさんだ通称、サバサンド。ガラタ橋近くに横付けされた小舟から男たちが売りさばいている。午後3時、サバサンドの香ばしい匂いが漂う桟橋を後にした。
どうしてあんなに低く飛べるのだろう。黒い鳥たちの群れが連絡船に並ぶように海面すれすれに飛んでいく。外海なら波に飲まれてしまう。久しぶりの開けた風景に気分も解きほぐされる。甲板を吹き抜ける潮風が冷たく気持ちいい。
数多くのモスクほか、オスマントルコが東ローマ帝国の都コンスタンティノーブル攻めで使った要塞後ルメリ・ヒサリが見えて来た。イスタンブールの楽しさは、この都市が数々の歴史の舞台となってきたから。さすが国際観光都市だ。
約1時間半の船旅。終点の船着き場からさらに丘に登ること約30分。終点の船着き場からさらに丘に登ること30分、頂上に名は知らぬ城壁の後のような場所があった。崩れた石垣に腰を下ろすと、眼下にはボスポラス海峡が口を広げて、蒼い海原が広がっていた。黒海。水平線の向こうはロシアなのだ。
吹き抜ける風が鋭利な刃物となって容赦なく頬を斬りつける。そういえば、ボクがいるのはアジア側、それともヨーロッパ側だっけ。なんかどーでもいいことのように思えてきた。
帰路、夕暮れの赤黒い彷徨を漂わせたボスポラス海峡がボクを迎えてくれた。
写真で見ていてもとてもきれいな夕日ですね。
by polo (2007-08-12 23:54)
5年前の冬、スナフキンさんと同じく城跡で黒海を眺めてたことを思い出しました。
幾重にも紡がれたイスタンブールの歴史に思いを馳せたその帰路、
僕を迎えてくれたのは、冷え切った体に襲い掛かる猛烈な尿意・・・。
スナフキンさんの写真と文章を見ていると、またイスタンブールに行きたくなりました!!
by もじょ (2007-08-13 00:16)
スナフキンさんの紀行文には、色彩・匂い・感触が感じられます。なぜか、行ったような気分にさせられます。その国の歴史や文化や生活を知って行くと、ただの観光旅行の数倍の値打ちがありますね。
by whitered (2007-08-13 07:14)
サバサンド懐かしいです。最近、都美術館でトプカプ宮殿の至宝展に行き、トルコを懐かしく思い出してました。私はヨーロッパから入ったのでトルコがアジアに思え、アジアから入ってきた人はトルコはヨーロッパだと言ってました。まさに東洋の十字路ですね!
by naonao (2007-08-13 21:56)
ガラタ橋のサバサンド、まだ存在するんですね。
結局一回しか食べてないですけど予想外な美味さだったことを
憶えてます。
イスタンも久々に行きたいなー。
by (2007-08-17 18:09)
こんな夕暮れをこの目で見てみたい!
次の旅行はトルコにしたいな。
by gaucho (2007-08-17 23:57)
ボスポラス海峡のクルーズ船、漁船に毛の生えたようなのですよ^^
by miffy (2007-08-18 13:59)
この夕陽がイスタンブールに誘う~!
今まで何万人の写真家が切り取ったか分らないその街を
いつかは自分も・・・そんな気になる記事でした(≧∇≦)b
by yazoo (2007-08-18 22:18)
す、すいません。
サバサンドに一番反応してしまった。。。
by うらなみっこ (2007-08-19 00:55)
スタンプ、いただきました♪
きれいな夕日ですね・・・
なんてコメントしていいのか・・・きれい!と言う言葉しか浮かばな~い☆
by (2007-10-03 16:57)